10分で知る早わかり白山市 5つの魅力

標高2702mの白山連峰に抱かれ、日本海に突き出て広がる石川県。その白山から日本海まで広域な大地に位置する白山市は、石川県では最大の面積で、人口は金沢市に次ぐ2番目です。この自然あふれるエリアは、「白山手取川ジオパーク」として2011年に日本ジオパークに認定され、2023年にはユネスコ世界ジオパークに認定されました。

そんな海・山・里の豊かな自然に恵まれた白山市には、人を飽きさせない多彩な魅力が詰まっています。

10分で知る早わかり白山市 5つの魅力

標高2702mの白山連峰から日本海まで
多彩な魅力があふれる白山市

白峰地区の西山から望む白山白峰地区の西山から望む白山
徳光海水浴場徳光海水浴場
手取峡谷手取峡谷

717年に泰澄大師が開山したと伝わり、古くから「神の棲む山」と崇められてきた霊峰白山。

白山市はその白山を頂点に、美川港や徳光海岸などの日本海エリアまで、バラエティに富んだ大地で形成されています。白山市は、自然が生み出す美しい大地の遺産を保護するジオパークとして、全域が日本ジオパークに認定されているのです。

白山を源に流れる手取川は、上流では大地を削り見事な峡谷美を造りだし、中流域では豊富な水量が大地を満たし作物を潤し、下流域沿岸では漁港をはじめ砂浜のビーチが人々を楽しませています。ほかにも白山からの恵みは数えきれないほどで、魅力が尽きません。

神と崇められてきた信仰の山
霊峰白山の恵み

白山白川郷ホワイトロード白山白川郷ホワイトロード
白山登山白山登山
白山に咲くクロユリ白山に咲くクロユリ

石川県のシンボル的な存在である白山は、富士山、立山と並び、日本三名山および日本三霊山に数えられています。

白山連峰の最高峰は御前峰(2702m)で、そこに並ぶ剣ケ峰(2677m)と大汝峰(2684m)の3峰をはじめ、四塚山や別山などの峰々で構成されています。古くから石川の加賀、福井の越前、岐阜の美濃から多くの登拝者が訪れました。

御前峰の山頂には、白山市三宮にある白山比咩神社の奥宮が鎮座しています。かつては聖域として一般の人々を寄せ付けなかった白山でしたが、昭和に入ると登山客であふれかえるようになりました。色とりどりの可憐な高山植物の美しさ、広大なブナの原生林、大雪渓、降り注ぐような星空、厳かなご来光など、登山者の目を潤し心も癒やしてくれます。

豊かな穀倉地帯が広がる
手取川扇状地の恵み

手取川と白山手取川と白山
白山のふもとに広がる田園風景白山のふもとに広がる田園風景
白山菊酒を醸す蔵人白山菊酒を醸す蔵人

白山市の真ん中を滔々と流れ、日本海へと注ぎ込む全長72Kmの手取川。山間から平野へと抜け出るエリアは扇状地を形成し、美川地域で日本海に流れ込みます。手取川はかつては暴れ川といわれ、幾度となく氾濫を繰り返していましたが、そのたびに肥沃な土砂を運び豊かで広大な大地を形成。今では県内でも有数の穀倉地帯となり、水量豊かな手取川の水が田畑を潤しています。食用米のコシヒカリや酒米の五百万石をはじめ、野菜や果樹などさまざまな農産物を育てています。

また白山からの雪どけ水が伏流水となって湧き出す手取川扇状地では酒造りも盛んで、「白山菊酒」を醸す5つの蔵が、それぞれに個性ある清酒を提供しています。

広々とした砂浜と美しい夕日
日本海からの恵み

徳光海岸の夕日徳光海岸の夕日
美川ではふぐ加工品づくりが盛ん美川ではふぐ加工品づくりが盛ん
日本海の幸をふんだんに使う魚介料理日本海の幸をふんだんに使う魚介料理

日本海に面した白山市美川エリアには、かつて北前船の交易で栄えた港があり、2020年6月には日本遺産「荒波を越えた男たちの夢が紡いだ異空間~北前船寄港地・船主集落~」に追加認定されました。この北前船をきっかけに、当地でしか製造が許されていない、奇跡の発酵食品といわれる「ふぐの卵巣の糠漬け」も生み出されています。港ではさまざまな魚介が水揚げされており、海からの恵みは今も尽きません。

日本海沿岸には美しい砂浜も存在。徳光海水浴場と「日本の渚百選」に選ばれた小舞子海水浴場の2つの海水浴場があります。徳光海水浴場があるエリアは松任海浜公園として整備され、バーベキュー場などもあります。すぐそばには温泉もあり、1日ゆっくりと楽しめます。

歴史とともに培われた
味と工芸

白峰名物「かっちり」白峰名物「かっちり」
白山麓の「堅豆腐」  ©石川県観光連盟白山麓の「堅豆腐」  ©石川県観光連盟
白山麓は蕎麦の産地でもあります白山麓は蕎麦の産地でもあります
日本三大紬に数えられる「牛首紬」日本三大紬に数えられる「牛首紬」
糠漬け等の発酵食品も発達糠漬け等の発酵食品も発達

海、山、里と幅広いエリアを抱える白山市は、その地域によって異なる生活が営まれており、郷土料理や工芸品といった生活に密着した各様式があります。どの地域でも共通するのは、厳しい冬に備えた保存食の発達で、3年をかけて毒を抜いた「ふぐの子(卵巣)糠漬け」はその代表格です。ほかに、山道でも持ち歩けるほど固い「堅豆腐」、2枚の笹で包んだ「笹寿司」、豊かな湧き水で醸す「白山菊酒」、竹の皮に包まれた「あんころ」、時間をかけて栃の実のアクを抜いた「とち餅」など、自然の恵みを上手く利用した先人の知恵が生きています。

一方で、生活に必要な用具から発展した工芸品もあります。2匹の蚕が作る繭を紡いで織る「牛首紬」、真宗王国といわれるこのエリアでは欠かせない「美川仏壇」、家計を助ける手内職から始まった「美川刺繍」、五穀豊穣の祭礼で奉納される獅子舞の「加賀獅子頭」や「太鼓」、農作業の檜笠などの「ひのき細工」、鍬や鎌から発達した「鶴来打刃物」など、地元を大切に守る文化がしっかりと息づいています。


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